無人と化してしまった福島第一原子力発電所周辺を走行し、空間線量などを測定してみました。空間線量が高いという事は報道からも知られる事実です。ただ実際には多くの放射性微粒子は雨などで畑や地面などに固着したりしていると思います。つまり、地面を測定すれば空間線量を大幅に超える数値が出てしまうのは明白です。
このあたりは徐々に各地域でも知られることとなり、個人間でも地面を測定する様になっているみたいです。ただ注意して頂きたいのはGM計数管の取り込み口部分を汚染しないよう、ビニール袋に入れたりサランラップを巻いたりして下さい。仮に放射性物質が付着した場合は常に高い数値を表示しかねません。また、高い数値を検出した場合、必ず離れた場所でも同様に測定しましょう。たまたまその場所だけが高い場合もあります。
まずは原子力発電所の北西付近です。ジオタグで地図を表示してみますと・・・・
道が分岐する周辺。google MAPでも写真が登録あり
※地形図・航空写真はGoogle MAPより引用です
2011 (C) google/2011(C)ZENRIN 以下省略
この辺りを車で走ってます。この分岐を右側に行けば原発から離れることができましたがパイロンで道がふさがれてました。よって普通に原発敷地境界線のフェンス沿いを走ることとなったわけです。
そしてそこで車内で表示する値は・・
×100なので30μSv/h程度
実際に電離箱サーベイメーターでもこの場では30μSv/hを示してます。地面は測定しませんでしたが容易にこの数値以上、推定で50μSv/h以上は示すと考えられます。仮にこの近くにある住宅で生活をした場合、1時間当たり50μSv→1日当たり1.2mSv/hとなります。つまり、日本で通常時に我々が自然放射線を浴びる量、約1mSvと同等の線量を1日で浴びてしまう。被曝してしまうと言うことになります。
どう考えてもこの付近での生活は無理というのをご理解頂けますでしょうか?もちろん放射性ヨウ素、セシウムなど、複合的にγ線を検出している可能性は高いです。何しろ原発の0m地帯なのですから・・・
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フェンスを見ながら走行すると裏手の原発搬入口があります。広さからしてそんな大型車両は出入りができないので、通用門というよりも搬出や何かがあった際に利用されるのかも知れない。
そして先へ進むと少し開ける場所に出ます。農地が東電敷地の反対側にあり、そこから原発側を眺めてみるとあの・・5号機を示す”5”という数字の建屋を見ることができます。
健全と言われる福島第一原発5号機の建屋
仮にこの5号機も運転中事故が発生した場合、直視できるこの場所は瓦礫が飛んでくる可能性も高いのではないでしょうか。いや実は1号機、3号機の瓦礫が飛んできてもおかしくないと思います。
しかしこのデザインは正直言って”塗装がはげたのか?”と思わせるものですね。40年前にデザインされているようなのではあるが・・(デザインで発電はしないが、でんこちゃんでも描いておけば原発イメージも少しは違ったかも知れない)
更に先へと進む・・・
西門と思われる場所(google MAP上には道がない)
プレスリリースには空間線量の報告があります。その中に”西門”というのがあり、そこには”モニタリングポスト”ではなく、”モニタリングカー”と記載があります。門の中に車が一台。これは週刊誌FLASH 4月29日号にもあった車両であり、特殊な改造をされている線量測定車両のようです。つまり、これがモニタリングカーだと思います。
桜の綺麗な春を感じさせる原発搬入口(西門)?
4月21日、東京では既に桜は散ってしまっていたが、この福島県はこの週末、本来であれば桜を見て一杯という人も多かったのではないでしょうか。地震、津波、そして原子力発電所事故。3つの災難が全てを飲み込んでしまった春である。非常に残念ではあるが、この地へと再度足を運べるのは一体どのくらい後になるのかは今の時点では誰もわからないと思います。事故が収束し、立ち入り許可が出たらもう一度この地を訪れたいと思います。
西門には工場などではよく見かける目標の看板があります。まさかこの看板が無意味と化してしまうとは3月11日の地震直前まで誰も思わなかったと思います。
つづく
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※NICO PARU TVは個人的にニコニコ生放送、Ustream、Justine TVなどで放送をする際の名称です。
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