栽培漁業協会を離れ、車をさらに南へと走らせる。海沿いは土地的には高台になっていて建物群は津波による被災は逃れられたようだ。工場、運送屋などがあり、いつもであれば多くの従業員が働いているはずである。時間的にはお昼になろうかというところ。工場から荷物を持ち帰ろうとしている車を1台だけ見かけることができた。
小入野地区 工場などが並ぶ(高台となっている)
(VIDEOからのキャプチャー映像 4/21撮影)
この周辺を少し回ってみたのだが原発側(栽培漁業協会側)が低くなっており、そしてここを右折しさらに南下すると海抜も低く、この地区のみが海沿いでありながら高台になっていることがわかる。そして外から見た限りでは地震による被害が見あたらない。いつでも操業できそうなんだが・・・やはり警戒区域であることを考えると廃業になってしまうのであろうか?(原発から2km以内)
そういえば、ビデオニュース・ドットコムの神保さんの取材は1.5km手前で終了とあったが、上記工場の位置から見てさほど遠いところではないことになる。
我々はさらに先へと進み、小入野地区と熊川地区の境目付近にある橋?にさしかかる。
1ヶ月経っても水が残っている
橋と言えば橋であり、地震や津波での多少なりとも被害を受けている。写真を見てわかると思うが海が目の前に見えている。この僅かな距離が明暗を分けてしまうとは誰も思わなかったであろう。
痩せ細った猫。近づくと逃げるが走らない・・走れない!?
途中、白色の猫と遭遇した。骨と皮と言った方がよいだろう。野良猫だったのかも知れない。手持ちの猫の缶詰と水を道路際に置いておいた。食べたか食べなかったかはわからない。すでに食べ物もない状態な上に屋外にいる小動物。助からないかも知れない・・・
そしてその先は津波の被害で道は寸断されている。民家が多く、海が近い街。地図を見ると”熊川海水浴場”の文字がある。海水浴場付近は当然今回の津波の被害を一番多く受けた地区なのだろう。そして行方不明者捜索が遅れていた地域とも言える。すでに我々一般人は入ることがでいない。あとは警察、消防の捜索に任せるしかないのが歯がゆい。
この先にご自宅があったのだろうか? 女性ドライバーの方が運転する車両が我々の目の前に出てきた。そして先へと車を走らせていたがまもなくUターンしてきた。道が通れなかったのだろう。22日から警戒区域設定。わからなくもないが地元の人が戻るのに往復3時間、現地2時間。それは無理だ! 線量が低い地域もあるわけだし、このあたりは時間的幅を実測に基づいて伸ばしてあげて欲しい。
実測もせず、机上で物事を決める国と組織。もう少し現地で活動する人達の声を、情報を信じてあげて欲しい。一律・・・こんな状況下で”平等”なんという言葉はない。危険な地域は確かに危険。しかし、線量が低く、5時間でも”すぐには健康被害は出ない”地域は幾らでもあるのだ! ”一律”という言葉とともに決めるのは政府なのか?それとも学者なのか?それとも官僚連中なのか?
現地へ行って物事を判断せよ!と声を大にして言いたい。この先、警視庁長官が視察した地域へと続く。1μSv/hだから視察した?長官は自らサーベイメーターを手にし、こんな危険なところもある。部下となる警察官が現場で頑張っている。もっと肌で感じるべきだ!
枝野官房長官が訪れた時もそう。安全だと言いつつ完全防備。(私はあのスタイルが正しいと思うので否定はしないが)非難している方々と専門家と国のスタイルが一致しない。国は危険と言いたくない。しかし現実長期間の滞在は危険かも知れない。ならばその状況を常にはっきりすることが安心感とは別だが理解につながると思う。
どうして国はこの様な判断ができない。多くの学者、多くの公務員を有しながら・・結局現場主義ではないからに他ならない。
離れる途中、撮影。高さが完全に明暗を分けた
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