今回は「なすび豚」という特別な食材を使って高周波料理をしてみることにした。 完成品の名前を「JUMBO POWER」といい、発売当初は軽く20万はする代物だったらしい。それが2万しないというのだから・・そりゃまぁジャンク品だから仕方ないのだが、この値段のギャップは少し悲しい?
中身は埃が凄く、この雨の中玄関でエアーコンプレッサでお掃除をすることにした。埃に黒い汚れの特徴はトラックなどで長いこと掃除もしないで使っている物に多い。排気ガスが悪いのかなんなのか不明だが、乗用車ではここまでひどくはならない。
さて、掃除も終わったところで動作チェックへと作業は移る。
1.通過ロスを計測する
無線機本体からの入力をなすび豚がどの程度喰ってしまうかを測定する。
W594は7Wレンジを苦手とする。要するに高出力モデルは低い出力LVでは誤差が多い。メーターを振らす電流とその動作に影響する倍率を作り出す回路の抵抗係数などによるものかも知れない。表示では7Wを若干下回る程度であるが、まぁ6W程度と考えてもよいだろう。NJZ-700チェッカーで測定してみると6.3Wと表示していた。ということで入力は6Wとする。
実際に通過させてみると・・・
表示は2W弱である。その後色々やってみると2Wを毎回指示した。よって相当なロスをしているのはこの段階ではっきりしたということである。これもNJZ-700で出力測定をしてみると・・1.9Wとなった。つまり、W594指示とほぼ同じということになる。よって約4Wをロスしているということになるわけだ。
送信電力の4Wロスは受信信号のロスにもつながる。経路としては同じ経路を通るわけだから、受信信号も当然ロス=感度低下となるわけだ。
電源を入れない段階でのロスの要因としては、高周波リレーの接点不良などが考えられる。これは耐入力の低い高周波リレーに対し、5W(それ以上かも知れないが)の高出力を常に入力している関係で接点劣化へとつながるわけだ。
よってここは消耗品として後日交換してみたいところではあるが、手持ちが残念ながらない!使われているリレーは高見沢であるが、今ならばオムロンの同等品がよいだろう。おそらく、製造コストの面で安いというのも高見沢が多く用いられた理由ではないだろうか?この頃ならば、同一性能品としてオムロン、松下がある。アマチュア無線家は主にオムロンを愛用しているような気もするが・・・
2.送信テストをする
通過ロスも気にはなるが、一番の問題であった出品者の言葉である送信がふらつくなどの現象が気になる。実際に送信してみると・・・えっ・・絶句(実は実験途中から受信機側で如何にもスプリアスか何かで異常を把握できたのだが・・)
なんか受信機側ではうなる音もするし・・出力が・・ こ、これは・・もしや・・と思い、一応出力を絞ると受信機がまともに復調するようになった。この特徴から察するに・・あれしかないのだが、一応調べてみることに。
MF847×2個の100W級回路を2つ有するこのなすび豚のそれぞれの出力を確認する。これにより石が飛んでしまったかどうかがわかる。もちろん電流計の示す値も非常に参考になる。
左右二枚の出力は問題ないようだ。これにより考えられるのは出口。そう、同軸リレーではないかという確信を得た。
出品者の出力がふらつく原因の一つとして、初段増幅の不安定も経験上あるが、やはりここまで出力異常があると間違いなく、同軸リレーの接点の劣化だろう。高周波、それも高出力が接点を通じて同軸に流れ出る。つまり、凄い負担がかかるのと瞬時にスパークするわけだから・・仕方ないと言えば仕方ない。
そこでまずはそこを分解する・・・
同軸リレーの蓋を開けるとこのように丸い接点がある。これが左右にあり、板状の接点バーが左右へ動き(実際には送信時にキャリコンで真ん中下の白いボッチを電磁石で動く板が押し、送信側へ接点を接触させる。
この部分が長い使用により劣化するのはこの手では常識で、中古の場合、必ずメンテしたいところでもある。ただ、分解する必要があるため、あまり簡単には手を出せない。もちろん新品があったとしても同軸リレーは高価な物であり、安易には交換できない。今は新品をもっているところも少ないのだろうし・・
写真左側は5W程度の無線機からの信号がスルーする接点側である。何もしなくとも意外ときれいだ。そして右側は増幅された高出力な電力が流れる部分。まる焦げ状態であるのがわかるだろう。これが抵抗となり、悪循環を繰り返し、最後は接点不良となり出力が不安定であったり今回のようなまるで出力が滞ってしまうような現象へとつながる。
この右側の接点を磨き、新品とまで行かないが、ロスを軽減する作業を行う・・・
接点が磨かれたのがわかるだろうか? ここまで手入れをしたら同軸リレーを組み上げ、再度出力測定を行ってみる。
最初は怖いので徐々に出力を上げて行くが・・そこで問題がなければ全開!バリバリへと至る。
出力が200Wを超えた。こ、これは・・・。゚+.(○ゝω・)b+.゚。イィ! ここまで差が出るものだんだなぁ・・・と当たり前のように実感する。これで一つ前進したこととなる。
※その後・・・
↑まで書いた後、色々やってみたところ不安定の要因も見つかりました。それは同軸リレーの内部端子を切り替える部分。つまりは電磁石でボッチを押し込む部分の固定ねじが緩み、押し切れなかったことも焼きつきの原因のようです。
このねじを締めなおし、テストすると非常に安定してました。
あとはメーターのバックライトである麦球が外されてましたのでこれを取り付けて完了です。
掃除とかは持ち主に任せるってことで・・・あぁ終わった 終わったw 久々の豚ねたでした^^;
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