はじめに
国の機関が言うには”表面を5cmほど取り除けば線量が落ちる”などと言った話をしていたのは記憶に新しいところではあります。放射線を放つ物質は土の表面などに多く存在することは知られています。その原因となる物質除去は土の表面を取り除くことにより多くを除去できるということになります。
このことは当たり前と言えば当たり前なのですが、誰もがそれを最初から実施して見せてくれなかったということもあり、実際に飯舘村のS氏の協力により畑での実験をさせて頂くことにしたわけです。ここまでやってみてやっと理解できた・・それは日本という国が如何に放射能などのことに対して国も含めて動きが遅かったということだと思います。
例えば学校の校庭で云々っていうのを皆は耳にしたと思います。でも結局は他人事なのです。我々東京に住んでいる立場であっても、今後あり得る話ということを考えると今回の実験は非常に重要であると考えます。
【実証実験1】 表面の土を取り除くと本当に線量が下がるの?
(表面での放射線量を確認し、その後、一定の深さの土を取り除いてどうなるかを検証)
1.実験フィールド
緑に囲まれたところにそこはあります。全体的に空間線量が高いので、実験ではその影響を受けているものと考えられます。その点を予めご了承下さい。
2.畑の表面を測定
畑の表面では5~6μSv/h程度あります
表面での線量を確認し、これから表面の土を取り除きます。まずは少しだけ表面を取り除いてみました。
3.数cmほど表面を取り除く
驚くことに線量が下がった!
線量が下がったので福島市で言う5cmに近い、7cm程度を掘り下げてみることにした。
4.7cm表面の土を取り除く
約2μSv/h程度まで下がった
空間線量がそもそも高い地域だが、表面の土を取り除いただけでこれだけの違いが出た。表面が5~6μSv/hだったのに対し、7cmほど掘り下げた部分での表面測定では2μSv/h程度。これだけで1/3程度まで下がったことになります。もっとも空間線量が高い分、数値も高いままだと思うのですが・・・鉛でこの空間を遮蔽すればその違いがはっきり出ると思います。
5.更に掘り下げて18cmほどにしてみた
トラクターが18cm~20cmほど耕すということで、とりあえず掘り下げてもらいました。そこで測定してみたら・・・
2μSv/hを更に下回った
予想通り線量が下がりました。実際には7cmも掘り下げればその段階で十分に放射性物質は取り除けたと考えられますが、周辺からの影響を受けやすいのだと思います。それをさらに深くしたことで壁となり、線量が下がったと考えられます。それにしても空間が高い地域でこの効果があるといういことは、除染作業の目処も当然立ちます。これは人力や機械を使って表土を取り除けば”畑は復活できる”可能性が高いということです。
国は一国も早くこの様な対策を実施し、風評被害の撲滅に努めるべきです。きれい事ではありません。我々の仲間、日本国民がこの様な状況にいつまでも置かれている事態、異常なのです。
6.トラクターで耕してみると・・
飯舘村では村民に何もするな!と村長さんがお達しを出したとか・・でもこの場で何かを試さなければ今後の日本、世界への情報発信も行えません。S氏のお父さんがトラクターで”うなってみようか”ということになり、とりあえず部分的に耕して頂きました。これにより表土に沈着している放射性物質が攪拌され、混ざってしまうことにはなりますが、実際にその変化を見るための実験です。
耕した上部ではかなりの周辺からの影響を受けてしまうため、約20cmほど混ざった状態ということから少し、掘り下げてみることにしました。実際には攪拌した状態で穴を掘っても上方を除く5ヶ所からは攪拌後の放射線がでていることになります。もちろん平均的に混ざるわけではありませんが、一応の違いを調べるには問題ない範囲だと思います。
実際に掘り下げて測定してみると・・・
約2μSv/h程度まで下がってます。このことは攪拌することにより、約1/3程度まで下がっていることを示します。実際は表面の土を取り除いたのに比べて放射性物質を攪拌、土の中へと閉じ込めてしまう結果とはなりましたが、表面はどれだけの放射性物質(この段階ではセシウム137等)が残っているのかといういのが大凡わかるのではないでしょうか。
飯舘村の農業は自然の中であふれ出すわき水とともに色々な工夫をされてお米なども作られてます。これらの苦労が一瞬で消え去るというのは当事者達がどれだけ辛い思いをするかを今一度国は考えて欲しいと思います。海外への体裁だの保身だのと色々言われてますが、日本の技術をもって対応すれば数年以内に農業も戻せると思います。
先日のニュースアンカー(関西TV)で青山氏曰く、飯舘村村長は2年で戻るということを口にしたとありました。それは決して不可能ではありません。もちろん今の段階では手が出せないというのもわかります。それは福島第一原子力発電所が落ち着かないのに今やったらまたダメになる可能性があるらと考えているからだと思います。
その原発事故は一体何年で収束するのでしょう。そしていつから除染を本格的に行うのでしょう。ちなみに福島市では公共的な施設、学校などの除染をと水をかけてますが、あの排水はどこへ流れるのでしょう。今でこそ20km圏内から戻る人のスクリーニングなどをしている映像を流してますが・・・
事故後の高レベル地区からの移動に対する除染(車の洗浄など)やスクリーニングはやってたのですか? やってなかったでしょ。福島県庁へ行ってみて下さい。他に比べて線量が高いのは何故?w非常事態であってもやるべきことをやらねば無意味になってしまう。ちょうど鶏インフルエンザ問題がありましたが、あちらはしっかり対応してましたよね・・それが放射性物質に関してはスルーだったという現実をマスコミも含めて皆、考えないようにしているというか口にも出さない。
すでに多くの放射性物質はこうやって拡散しているのです。もちろん感染症ではありませんから一時の放射線上昇ってことでかたづくのでしょうが・・・
今の日本の危機管理は本当に素人です。我々素人より正直素人です。プロがやるからこそある程度は目をつむってしまう。この現実を皆さんお忘れなく。
※福島の方々の風評被害が多かったのもこのあたりをしっかりやって映像で流していれば軽減していたと思います。”除染”という二文字がまったくメディアが伝えなかった。マスコミも犯罪者の片棒担いでいたという事実を実感して下さい。(アメリカならメディアも裁判対象ですね・・アメリカの弁護士先生、如何ですか?日本のマスメディア相手に裁判されてみては)
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