皆様ご存じの通り、私は今や空調修理を含む”修理業”を個人で営んでおります。
そんなマニアックな野郎が語る(例年通りのネタですが)空調節約術を伝授したいと思います。
1.冷房はなぜ必要なの?
”暑い”という感覚は生き物が普通に感じる感覚の一つであって当然、生命の維持の上で警告の一つであるのはおわかりだと思います。暑い→体温に近づいている→汗をかく→気化熱で冷却する。そんな当たり前な事が今年は命取りになる可能性があります。
基本的に水分を摂取し、風通しがよい部屋で休めていればそれなりに乗り切れるこの夏も、今や気温上昇、建物の構造上気密性が高くなり風通しが悪い等々、我々の生活向上とともに自然を的に回してしまったと言っても過言ではありません。
そこで我々人類は強制的に熱交換を行わせ室内を冷却するシステムを実用化してます。それがいわゆるエアコンと呼ばれ、実際には冷房動作をする装置です。これにより室温を強制的に下げ、生命を維持し易くしてくれています。
2.冷房するとどうなるの?
実は冷房動作は室外機と呼ばれる外の機械では暖房を行ってます。夏場と冬場はこれが逆転する事により冷房や暖房を切り替えます。詳しくは冷凍サイクルってのを調べてみて下さい。室外機にある四方弁と呼ばれるものでガスの流れを変え、冷房、暖房の基本を作り出してます。今の機械は細かい制御を行っているので湿度だとか外気取り入れだとか様々な条件を作り出せますが、基本は全てガスの流れを変更する。これだけです。
外機で暖房をする=室内は冷房する。これは当たり前ではありますが、一番難しい事である事がわかる人はこの先を読む必要はありません。外で暖房し易い環境を作る事こそ、一つの省エネであり、室内の熱負荷を減らす事も省エネなわけです。
3.我々が注意すべき点は?
これは”室内”と”室外”の両方に注意が必要です。この注意を怠ると・・・
1.電気代が高くなる
2.冷房や暖房の効きが悪い
3.最悪機械が壊れる
4.エコじゃないから東京電力管轄ではいじめられ・・ないですw(でも皆がやれば凄いエコです)
とまぁ簡単に書いてみましたが実は今回の電力事情の悪化に関して、管轄エリアの皆が心がけたらきっと計画停電はなくなるかも・・と言える事なのはよく理解して下さい。
さて本題です・・・とまぁ本題はあとで書く事にしますw
4.皆でやればかなりのECO&節電となる話
3項に書いた内容の詳細記事です。読んでいて・・・”なるほど”と思った人、是非この夏に試してみて下さい。理科の実験にもなります。
4-1 空調機は10年で別物になる?
10年という月日は技術を向上させます。ルームクーラーやパッケージエアコン、冷蔵庫等々、実はこの10年というのが大きな節目であったのは言うまでもありません。何が違うのか。それは使用されている冷媒が変更になったのです。我が家の東芝製(今は東芝キャリア)のエアコンがちょうど新冷媒へのシフトが始まった頃の物です。ですから2.2kwモデルはR-22を使用し、それ以上の機種はR410Aを使ってます。この冷媒の種類はとりあえず原子力発電所ではありませんが、クリーンな冷媒みたいなところを言い訳にしていたと思いますが、この頃、温暖化、オゾン層破壊などの文字が世の中を駆けずり回っていたのを想い出します。今ではオゾン層なんて話はまったく聞かないのですが、放射線同様怖い宇宙線を防いでくれているわけで、原発事故→ガンになるとか思っている人、今一度10年前を思い出しましょう。我々の上に常に降り注いでいるのです。つまりだ・・・ガンの因果関係は微妙に放射線との関係を濁してしまうという事かも知れませんね。(誰か宇宙=映画だと”そら”から降り注ぐ部分を説明して下さいw)
さて前置きが長くなりましたが・・新冷媒と言われるR410Aにチェンジする前に業務用エアコンはR407Cという冷媒に少しだけシフトしました。R407Cは圧力がR22と近く、扱いも楽です。今でも冷蔵庫では使われていると思います。私が専門の機器ではR407Cのダイキン機種は室外機のあそこが弱いというイメージしかありませんw 私も仕方なく、マニホールドを3種類持ち歩いてます。正直面倒です。
ルームクーラーで使われるR410Aは圧力が1.6倍とされ、ものすごく圧力が高いのです。ということで施工も当初は脅しがあったりw 新しい対応工具を買わされたものです。もっとも冷凍機油の種類も違うために施工上の注意をよくメーカーに言われたものです。今のは随分耐久性高くなったのでめったに面倒な配管洗浄はしなくなったと思いますが。
この様にこの10年で人間で言えば血液型が急に変わった・・みたいな出来事があったわけです。それに伴い、熱交換効率や諸々の変更によりサイズが変更になったりと・・リプレイス工事で苦労する事もしばしば。
冷媒、機器のサイズとは別に技術の向上により消費電力も減っている様です。詳しいカタログデータを見たわけではないのですが、メーカーが売り文句にするのは”省エネ”です。本当にそうなの?と言われれば普及型の安い5万前後の機種に比べて高い機種の方が確かに圧縮機の消費電力なども少ない様ですが・・修理する時は部品台が全然違うので一概にどちらがよいか?とは言えません。
しかし今回の様な全体で省エネというのであれば、当然、昔のON-OFFしかしない機種より、当たり前になったインバータータイプの機種に入れ替える事で節電、エコとなるわけです。
10年は一節目。それ以上古い機種の方は是非、これを機会に入れ替えてみては如何でしょう。おそらく、法律で強制買い換えをさせれば多少は電力事情も改善します。特に大型業務機はその効果抜群です。しかしお金も抜群に必要です。つまり、税金で日本全国省エネフェアーするしかないと思います。無理ですけどね・・・壊れるまで買い換えられるわけないでしょ!金ないんだから・・普通にw
4-2 室外機の設置場所
空調機は熱交換により冷暖房をするという事を考えると当然な話。室外機の設置場所を選ぶには・・夏は涼しく、冬は暖かい。こんな場所を選ぶと良いのですが・・季節毎に移動するわけには行きません。そこで一般的には夏に効率がよい場所を選ぶと良いと思います。何故か?それは冬は代替品が沢山あります。暖房はファンヒーターの方が熱量が得られ、瞬時に暖かくなります。夏は代替はありません。扇風機と氷では・・無理ですねw
これは効率面で考えると南向きは夏場はきついです。日陰を作ったり日陰になる場所が良いです。ただ風通しが悪いと自分の吐きだした熱を吸い込む(ショートサーキット)事により運転圧力は上昇、電流は食う、冷えない・・最後は保護装置作動って事になります。アパートなどで囲まれたベランダでは本当に注意しましょう。ベランダが南国を通り越して太陽が近いなぁ~と洗濯物がよく乾く空間ができあがります。
4-3 室外機の裏側に物置くな
室外機の背中側は熱交換器と呼ばれる車のラジエーターみたいな部品があります。ここを風が通過し、その際に冷媒との熱交換を行うことにより冷凍サイクルが続けられるわけです。この部分をふさいだり、汚れていたり(特に動物を飼っている人は要注意です)していると熱交換を正常に行えなくなります。冷えない理由の一つにそんな原因もあります。結構ベランダに物置いている人は注意しましょう。
4-4 風向板を作って室外機につけてみたりする
風向板は業務空調機ではよく使います。狭い空間に風の通り道を作ったり通行人に風が当たらないようにしたりと。ルームクーラーでそこまでやる人は滅多に居ません。というより知らないと思います。私も修理依頼で伺ったところが狭いベランダでショートサーキットを起こしている。こんな場合に段ボールなどで工夫して作ったりします。意外と効果あります。常に外気(排出する熱より当然外気温度は低い)を吸い込ませ、排熱を上手に逃がす。これが電気代節約&冷房効率UPにつながります。もっとも見た目はwwですが・・ここまできたらなんでもやりましょうw
ということで室外機編は簡単にここで終わりとします。他にも色々ありますが・・ケースバイケースですので、お困りの方は個別にご相談下さいw ニコニコ生放送やZan9放送中なら直接お答えできますね。お近くならご訪問もできますが、生放送やっていると近県・・多いようで少ないw
ではぁ つづく・・・つづく・・・いつまでつづく
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