先の記事は双葉町という、まさに原子力発電所から数km~の現在は近寄る事もできない警戒区域にあります。幹線道路である6号線を中心に東西に広がる町。東は畑が多くそのまま海岸へと続く。西は普通の街並みです。
海水浴場周辺は津波の影響を完全に受けていた
普通に考えれば夏場は地元の子供達が家族と楽しむ場所です。ところが津波はその場を一瞬で奪ってしまいました。春という事もあり、海水浴を楽しんでいた人は居ないとは思いますが、駐車場付近では車両が1台、津波で流された形跡が見られました。ドアの鍵は外から見る限り開いてましたので、直前まで利用されていたのではないかと思います。100mも走って高台に行ければ難を逃れられたと思います。無事であることを祈るしかありません。
双葉町海水浴場
ご無事であることを祈ります(海水浴場駐車場)
-------
我々は海岸付近を離れ、そして原子力発電所へと近づく事にしました。当然ながら高レベルである可能性は高く、事前の情報(海外で発表された資料)では福島第一原子力発電所の南側、南西が危険である事はわかってました。下記写真は海外の資料を引用させて頂きます。
この資料を見て思う事は、水素爆発時に当然海周辺の複雑な風向き、そして遮蔽構造の分厚いコンクリートの破砕による粉塵の飛散、それらがもたらした放射性物質の飛散が明確になっている事です。
当初、日本国政府はこの事実を”隠蔽”と言われても仕方ないほど情報を出してません。実際に福島第一原子力発電所の水素爆発というのは我々はマスメディアより30分は前に入手してました。現地福島のアマチュア無線家が”爆発音がした”という話をアマチュア無線を通じレポートされていたのです。
それを友人である無線仲間からニコニコ生放送最中に教えて貰いました。もちろん水素爆発する事は予想されてましたので不安が的中したとしか思いませんでしたが、その後の放射性物質飛散による汚染が気になって仕方ありませんでした。
ここで一言申し上げておきます。今では原子力爆弾と原子力発電所の水素爆発、最悪臨界事故は別だと言う事を皆さんはわかっていると思います。しかし、多くの人が原子力発電所の事故=爆発と連想する様です。これは国策である原子力発電という物が国民に正しく伝わっていない。つまりは教育が足りないという点は明らかになりました。しかしながら、発電所事故による放射性物質飛散については別の意味で”爆弾”と同じです。
”今すぐ健康被害には・・”。よいですか! ”今すぐ”ですよ・・日本語は便利ですね。高レベルな放射線を浴び続けた人はこの先どうなるかは・・神のみぞ知る。被曝したと思われる方々は定期的に検診を受ける事を進めます。もちろん我々も取材中被曝してます。数値だけ見れば当然被曝とは言いたくない数値です。しかしながら意図としない放射線を浴びる事は”外部被曝”であり”自然被曝”ではありません。
次に紹介するのは”福島第一原子力発電所”の北側からの写真です。一般的に報道で使われる場所だと思います。砦の様な構造の原発ではこの場所以外撮影が困難です。距離としては1km前後だと思います。5号機、6号機が近くになりますが、正直、今回の事故では1kmだろうが数kmだろうがまったく関係ないです。
福島第一原子力発電所 北 1km前後より撮影
(空間線量は5μSv/h 程度、木の根元は20μSv/hはありました)
この場所からビデオ撮影もしました。作業員が頑張っている姿も見る事ができました。さすがにテレビ朝日で流れた映像よりは粗いですが・・カメラが違います。 テレ朝の映像は21日に南側で出会ったジャーナリストの方々が撮影した物ではないかと思います。とりあえず無事戻られたようで何よりです。
原発が近い=放射線が多い。これは正解であり不正解です。確かに原子炉近くでは高レベルであり身体に害を及ぼすレベルです。しかし、1km前後というのは水素爆発当時の風向き、爆発した際の破砕された放射性物質の付着したコンクリート等々の飛散状態で多く変わります。
現地で測ってみて思ったのは当日の風向きにより舞い上がった粉塵は原発周辺よりも北西方向へ多く飛び散ったという事だと思います。これは発表された数値、実際に自分の目で見て測った数値から理解できます。今回、国や東京電力が発表できない部分というのは”実際に飛散した状態を把握しきれてなかった”というのが裏事情でしょう。もちろん公表が遅れたのは言い訳できない事実ですが・・・
つづく
(C)2011 NICO PARU TV 掲載している写真等は許可なく二次利用はご遠慮下さい
※NICO PARU TVは個人的にニコニコ生放送、Ustream、Justine TVなどで放送をする際の名称です。
最近のコメント